公理と世界銀行と貧困と1ドルという単位について考察しました。(その2)
先ほどの文章のにおいて「貧困ライン」や「ドル」というキーワードに注目して考察します。
先ず、それらのキーワードに関係のある文章を先ほどの文章から、以下に抽出して記述します。
「国際貧困ライン」とは、
「貧困を定義するためのボーダーライン」で、
「2011年の購買力平価(PPP)に基づき(1日1.90ドル)(2015年以降)に設定されています。」
「国別貧困ライン」を確認します。
「その国でそれ以下の収入では、最低限の栄養、衣類、住まいのニーズが満たされなくなるというレベルが、国別貧困ラインです。」
「まず最貧国数カ国の国別貧困ラインを検証し、それを購買力平価(PPP)を用いて共通の通貨価値に 換算するという方法です。」
「PPPとは、ある国である価格で買える商品やサービスが他の国ならいくらで買えるかを示す換算レートです。」
「 共通の通貨に転換すると、これらの最貧国の内6カ国における国別貧困ラインが1人当たり1日約1ドルになることが分かり」
「これが最初の国際貧困ライン(1990年時点)である1日1ドルの根拠となりました。」
以上の文章を抽出しました。
そして、「国際貧困ライン」が世界銀行により決定されたプロセスを以下にまとめます。
「国際貧困ライン」とは、
1.その国でそれ以下の収入では、最低限の栄養、衣類、住まいのニーズが満たされなくなるというレベルを「国別貧困ライン」と定義する。
2.世界各国の「国別貧困ライン」を計算する。
3.各国の「国別貧困ライン」を比較する。
4.最貧国の6カ国を選抜する。
5.その選抜された6カ国の「国別貧困ライン」をおよそ「1日1ドル」と認識する。
6.「国際貧困ライン」を「1日1ドル」と定義する。
さらに、この6つプロセスより考察してまとめます。
「国際貧困ライン」とは、
世界の最貧国の数を把握するために考案された。
いくつかの最貧国と呼ばれる国々を基準にした。
世界各国の国民の生活における、経済状況を相対的に測定した。
これらの結果として、導き出された指標である。という概念のようです。
そして、
「国際貧困ライン」という指標を導き出した結果として、
「国際貧困ライン」とは「1日1ドル」である。という単位としての概念が誕生したようです。
結論として、
世界銀行が各国の経済状況を測定して導き出された結果が、
(偶然にも)結果としての、
「国際貧困ライン」であり「1日1ドル」という概念である。そうです。
しかし、
ここまでの「国際貧困ライン」と「ドル」という概念を決定するプロセスに対しまして、
(偶然にも)という(偶然性)にという点に関して大きな疑問を持ちました。
世界銀行という、世界的にも大きな影響力を持ち、国際連合にも関わりのあるとても大きな責任を持つ機関が公理としての「国際貧困ライン」を、(偶然の結果からの数値)を理由に決定するのであろうか。
次回に続きます。