集合知としての公理と論理と矛盾についての考察

集合知としての公理と論理と矛盾について考察しました。

2つの文(人間は矛盾している)(公理は矛盾を含む)を考察します。

文a(人間は矛盾している)と文b(公理は矛盾を含む)を、

公理(axiom)により、

文a(人間は矛盾している)の場合に真の値をとる命題A

文b(公理は矛盾を含む)の場合に真の値をとる命題Bとします。

ここで、

命題とは、その意味に対して、真または偽という相反する値を対応させることが可能な文のこと。とします。

公理とは、集合知(集合知識)として、

一般的に多くの人の間で正しいとされている意味を持つ文のこと。とします。

また、命題文に真の場合の値1、もしくは、偽の場合の値0を対応させることを評価、及び、評価する関数hを評価関数hとします。

そして、命題A、Bを評価して命題ah、bhと表し、a1=b1=1,a0=b0=0という計算が成立するとします。

考察のために、命題論理演算という概念を導入します。

命題Aの評価値Mと命題Bの評価値Nの間に、

論理積:M且つN、MそしてN、M(and) N、などの意味を記号でM*N(M掛けるN)

論理和:MまたはN、MもしくはN、M(or)N、などの意味を記号でM+N(M足すN)

否定:真、偽の値をそれぞれ入れ替える否定の意味を記号でnot(否定)

含意:MならばN、M→Nの意味を(notM)or(N)

((Mでない)もしくはN)とそれぞれ定義します。{(Mの否定)足す(N)}

そして、MとNに、真の場合の値として1、偽の場合の値として0をそれぞれの値として表します。

さらに、論理演算の規則として、

以下の値をとるとします。

0+0=0,

1+0=0+1=1,

1+1=1

0*0=0,

1*0=0*1=0,

1*1=1

ここでは、

含意命題論理演算{(命題A)ならば(命題B)}を、

{(命題A)→(命題B)}で表現して行い考察します。

{A→B=not(ah)or(bh)}のような記号の式で表して計算を行います。

命題A→命題B

1.(人間は矛盾している)ならば(公理は矛盾を含む)は真

=(人間は矛盾していない)もしくは(公理は矛盾を含む)は真

a1→b1=

not(a1)or(b1)=a0+b1=0+1=1は真

2.(人間は矛盾している)ならば(公理は矛盾を含まない)は偽

=(人間は矛盾をしていない)もしくは(公理は矛盾を含まない)は偽

a1→b0=

not(a1)or(b0)=a0+b0=0+0=0は偽

3.(人間は矛盾していない)ならば(公理は矛盾を含む)は真

=(人間は矛盾している)もしくは(公理は矛盾を含む)は真

a0→b1=

not(a0)or(b1)=a1+b1=1+1=1は真

4.(人間は矛盾していない)ならば(公理は矛盾を含まない)は真

=(人間は矛盾している)もしくは(公理は矛盾を含まない)は真

a0→b0=

not(a0)or(bo)=a1+b0=1+0=1は真

以上、4通りの計算結果が出ました。

この時、評価に順序の概念を導入して考察します。

最初に評価する命題を第1命題、次に評価する命題を第2命題とします。

第1命題である命題Aが真の場合と、

第1命題である命題Aが偽の場合の2つに場合分けします。

先ず、

第1命題が真の場合、第2命題である命題Bの値により、

含意(命題演算)式の評価値が決定されます。

それぞれ、

第2命題が真の場合、含意式の評価値は真

第2命題が偽の場合、含意式の評価値は偽のように決定されました。

この、

第2命題により、評価値の値が決定されることを、第2命題に矛盾がない。とします。

次に、

第1命題が偽の場合、第2命題である命題Bの値は真もしくは偽のどちらの値もでも、

含意式の評価値は真で決定します。

この、

第1命題の評価値により、第2命題が真もしくは偽のどちらの値でも、含意式の評価値が決定されてしまう場合を第2命題は矛盾している。とします。

ここで、含意命題演算式評価アルゴリズムという概念を導入します。

先ず、第1命題を評価します。

次に、第2命題の評価により、矛盾の有無を評価します。

そして、

矛盾がある場合、その状態で停止します。

矛盾がない場合、第3命題を導入します。

そして、

第1命題と第2命題の評価値と第3命題の評価値の間に矛盾の有無を評価します。

以降、

矛盾が存在して停止するまで、命題を新たに導入して評価を繰り返します。

以上の行為を、含意(命題演算式)評価アルゴリズムと定義します。

次回に続きます。